寝る間を惜しんでサービスを開発するスタートアップは潰れると思う3つの理由とたった1つの解決策

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私としては、寝る間を惜しんでサービス開発、というのはアプリを作ったりするのは好きなので、嫌いじゃないです、好きです。しかし、それを続けるとスタートアップは潰れる、と思います。特に、経営者が20代である場合などは、潰れるリスク、働く時間と成果が見合わない不成長状態になるリスクが非常に大きいと感じています。

 

37歳にして、自己資本2500万円を投資し、”すべてを捨てて”クラウドワークスをつくったという吉田氏。「伸び悩んでいる若手は、まだ捨て切れていない」という氏の起業マインドについて語った。
「お金も彼女も、すべてを捨てたときに工夫が生まれる」 クラウドワークス・吉田氏インタビュー #IVS

先日、クラウドワークスの吉田さんがIVSにてこう語っておられましたが、この意見には賛成です。もっとも、私は妻もいるので、すべては捨てられないし、捨てるべきではないと思います。ここは人生観かと思います。お金に関してはほぼ捨てました。貯金は全額会社資本に入れ、会社からは給与はとらず、保険等は妻の扶養に移り、神奈川に引っ越して家賃も去年の半額に。

ただ、その中でも、決して捨ててはいけない物があります。それを捨てた場合にどうなるか、潰れると思う「3つの理由」を記載します。

寝る間を惜しんでサービス開発していると、

  1. マネジメントが疎かになり、成果が出ない

    人数が少ないスタートアップの場合、代表、CTO、デザイナー、全員が常に実働する状態になってしまう機会が多いと思います。これは危険です。追うべきKPIは何か?そもそも自分たちの事業は何か?この達成のために今最優先にすべき事項は何か?目標は何か?
    常に問うべき必要がある内容があるにもかかわらず、「サービスの開発進捗」というKPIについてのも追い続けると、大いなる時間の浪費を生み出します。

  2. サービス開発の品質、効率が悪化する

    アプリやサービスを開発していると、次々と機能の追加要望、欲求が生まれます。改善したいUI/UXもあちこちに現れます。試してみたい試すべき価値のあると思われるマーケティング施策もあちこちに生まれます。そうして生まれるのが、開発しても成果の出ないたくさんの機能たちです。拡大していくバグの保守コストです。これらは事業の成長の妨げにしかなりません。

  3. たくさんのチャンスを逃す

    開発しているサービスが解決するユーザの課題に対して、「機能」が必要でない場合も多いです。手作業で良い物もありますが、それ以外に、同じ志を持つ他社に依頼する、といった選択肢がある場合も多いかと思います。また、スタートアップだと「お金が足りない=受託開発を合間にしよう」みたいな発想になることも多々ありますが、実際は行政からの中小企業支援施策などで、ある程度キャッシュを得ることが出来る可能性は低くないです。また、極希にですが、行政が全額費用負担してくれる事もあります、事業内容次第ですが。

ただし、これらは「寝る間を惜しんでサービスを開発」している場合のデメリットです。「全てを捨ててサービスを開発」しており、なおかつ、サービスを開発の部分に、重要なKPIは何か決定していることであったり、利用可能な制度、協業可能な他社、ユーザビリティテストなどによる無駄な開発の不実施などが含まれている場合は、非常に良いと思います。「とにかく寝る間を惜しんでコーディングしまくれば道は開ける!」みたいな考えは間違っている、と思うだけです。

 

これらは実際に私自身が経験したことからのピックアップです。そして、これらは色々な要因によって引き起こされているかのように見えますが、大本の問題は1つだと感じています。
それは「知識の無さ」です。

私たち20代、大学在学中の起業や、卒業後の起業、社会人3年目での起業。ずーっと営業や開発一本だった職業からの脱却のための起業。こうした私たち若者は圧倒的に知識が足りていません。

私たち自身の事業がなんたるかを理解していません。事業がなんたるかを問うべき必要があるということさえ理解していません。だから、無駄なことばっかりを繰り返します。

私たち自身の事業の顧客が誰であるか、何を提供すべきなのか、事業がなんなのか、理解していないのにサービスを開発出来るわけがありません。それらを体系化したリーン開発や顧客開発モデルについても理解していません。だから、より高い成果を出すためにサービス開発を改善する、という思考さえ生まれません。

我々の役割や行政の役割を把握していません。だから、各種助成金の存在なんて考えたりもしません。雇用の拡大は我々企業の役割ですが、スキルの未習得者に対する訓練及び社会全体の雇用拡大は行政の役割である部分も大きいです。行政に頼れる部分、機会がたくさんあるにもかかわらず、それに気づくことが出来ません。どこが自社の役割なのか、他社や行政のそれぞれの事業、役割がなんたるかを知らないのですから。

 

全てを捨て切れていない私が書くのもなんですが、勉強だけは決して捨ててはいけません。どん詰まりになるばかりです。勉強をするための時間を事業に費やしてはいけません。どんどんどん詰まりになるばかりです。私たち若者には教養が、知識が、経験が、足りていません。せっかく知識を得たらそれをアウトプットして経験に活かせる機会が、起業という行動によって得られるのですから、勉強しないのだけは最も避けるべきです。
勉強以外は本来はすべて捨ててOKだと思います。事業と勉強に時間を費やしたら時間そもそも残ってないですし。


「勉強だけは捨ててはいけない。私たちは知識が全く足りていないのだから」

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