投資家、キャピタリストの価値

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キャピタリストの価値とは何か。もちろん、キャピタルゲインを得られる投資先を見つけ、投資し、キャピタルゲインを得ることである。

ただ、ミドルラウンドやシードラウンドで、良い投資を出来るファンド、キャピタリストは少ないと思う。

ベンチャーは右肩上がりのグラフをとにかく書くし、それだけ見たら投資する判断をしてくれるところも少なくはない。
しかし、実際には、よくピボットするし、右肩上がりのグラフも横ばいになりがち。

しかし、たとえば、FacebookやTwitterのようなサービスが日本で生まれたとして、彼らはビジネスモデルを考えて起業したのだろうか?
思いついたサービスがニーズに合致して、ユーザがついてきて、それからやっと、収益をあげられるようになったのではなかろうか?

Facebookの映画の中でもあるとおり、最初は広告はクールじゃないと、徹底して導入していなかった。ビジネスモデルに着目していたとは思えない。

もちろん、多少は、人よりは考えていたと思うが、それぐらいではなかろうか?

そういう人達が書いた右肩上がりのグラフを見て、キャピタルゲインを想定し、投資する。

これが今の多くのキャピタルの動きではなかろうか?

与えられたモノを見て判断して、ここはセンスがいるのだろうが、投資を決定する。

与えられたものベースの投資がメインになっているのではなかろうか。

もちろん、それは間違ってない。
代表が理解していないのに、説明された側が理解出来るはずはないし、説明された側の方が詳しく知っている、考えているような企業はだめだろう。

では、何が言いたいかというと、そういったキャピタルは、レイターステージ以降じゃないと価値がないと思う。

シード、ミドルは頻繁にピボットする。その中では、ビジネスモデルもピボットする。
起業家はピボットを前提としたグラフは提出しない。そんなたくさんの資料を作っていたら、本業が進まない。
FacebookやTwitterも同様ではなかろうか。

FacebookやTwitterに投資して儲けたのは、よいキャピタリストのいるファンドや、エンジェル投資家なのではなかろうか?

FacebookやTwitterのコアがなんたるかを理解し、ピボット可能な範囲、チャネル、スケールを概算し、その中で時価総額を決め、必要な金額を決め、投資する。
そういった動きが必要なのではないたろうか?

シードファンドだと、チームの可能性に投資していて、キャピタルゲインを最もな指標にしていないとは思う。が、以降のステージは、サービスを加速するためのものだろう。
そして、加速の方向性は逐次変化する。

今の多くのキャピタリストは、資料を取りに行くこと、与えられた資料を主査会にかけることが仕事になってるのではなかろうか?

起業家以上にビジネスを理解し、ピボットの方向性の選択肢なボリュームを検討し、複数の計画書・チャートを作り、それを元に総括的に判断する、アドバイスする。
そういったキャピタリストが増えると良いなと思う。

その点、個人投資家は素晴らしい。事業経験があり、自分がもしこのビジネスをするとしたらという目線で考え、検討、アドバイスしてくれる。
ファンドの運営リーダーも多くの場合、個人投資家と同様の思考・動きをしてくれる。

事業計画書は起業家が作るべきだが、それ以上に事業計画書を作ってくれるキャピタリストは、埋れているベンチャーに救いを、大いなるキャピタルゲインを得られることと思う。

真の投資家が増えることを願って。

結局、人は財なり、会社は人なり。

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